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自動車触媒スクラップ買取詳細について

2017/05/24 お知らせ

こんにちは、ヒラノヤ代表 中務(なかつかさ)です。先日も書きましたがヒラノヤでは自動車の触媒の買い取りを始めました。

 

 

車用の触媒 中サイズなど
ヒラノヤ 自動車触媒スクラップの買取価格

 


非鉄金属である真鍮・ステンレスなどと同様に以前より全然扱っていたのですが、時は来た!ということでこの度ホームページにも載せることにしました。というわけで自動車の触媒スクラップの買取詳細について書きたいと思います。で、まず前書き…

 

 

 

その1. 自動車触媒とは

 

自動車は動力として内燃機関(=エンジン)を持っており、その燃料としてガソリンや軽油を燃やします。その際、不完全燃焼の産物である一酸化炭素、高温に晒された結果窒素と酸素が結合した一酸化窒素および二酸化窒素(いわゆるNox)、二酸化炭素、粒子状物質(PM)などが排出されます。いずれも環境および人体には有害なものであるため、排出量の制限基準が世界レベルで制定されました。しかしエンジンを回せばどうしても発生するもの。ではその基準をクリアするためにはどうするか、、、排出する前に排気ガスよりそれらを取り除くしか方法がありません。というわけでそのために排出口(つまりマフラー)の前に自動車触媒が組み込まれました。

 

 

触媒とマフラーは違います。

 

 

その2. 触媒作用について

 

触媒とは「自身は変化せず周囲の物質の反応を促進させる物質」のことを指します。そんな触媒の作用が極めて高い物質が白金(プラチナ)です。詳しい化学式は省きますが(私も分からない)エンジンから排出された排気ガスがパイプを通じ触媒装置内の触媒本体(ハニカムやメタルなど)を通過する際、塗布されたプラチナなど(その他にロジウムやパラジウムなどの貴金属もあり)に接触すると酸化および還元が促進され二酸化炭素と水として排出、つまり無害化されます。

 

 

自動車触媒作用の化学式

 

 

その3. 自動車触媒のスクラップ価値

 

その2にも書いたとおり、自動車触媒にはプラチナやパラジウム、ロジウムなどが塗布されております。それはまあそこそこな量で、だからこそスクラップとして価値があります。ヒラノヤでは大きなトラック用から乗用車など小さな車用の自動車触媒までランク分けしておりますが、つまりは貴金属が含まれている触媒本体(ハニカムおよびメタル)のサイズにより大まかに分けられているということになります。決して外装のサイズではありませんのでご注意くださいませ。

 

 

外装では無く中身の大きさでランク分けされます。

ヒラノヤ 自動車触媒スクラップの買取価格

 

 

 

 

 

その4. 「ハニカム」と「メタル」

 

買取品目ハニカムメタルに分けられております。というかそもそもハニカムとメタルとは何か?
ハニカムとはセラミック製の蜂の巣状をした触媒装置です。排気管内は爆風にさらされるため、強度とコストパフォーマンスを満たすセラミックス素材が使用されております。
メタルとは金属製の触媒装置であり、セラミックス製触媒は性質上小型化が難しいために金属が代替として使用されたものになります。
出典: “三元触媒” by wikipedia

 

 

車触媒のハニカム


車触媒のメタル

上の写真でも分かりますが、見た目が格子状か渦巻状かで簡単に判別が出来ます。ヒラノヤでお持込をされる際はハニカムかメタルをぜひご確認下さいませ。

 

 

 

 

その5. 自動車触媒(トラック用)の「DOCとDPF」とは

 

トラックなどに主に使用されるディーゼルエンジンは、燃焼効率は良いのですが、スス(炭素などの微粒子=PM)が発生します。ススも微粒子であるため有害でありNox・PM法により厳格に排出規制がされております。よってススもディーゼル触媒中において処理される必要があり、そのためトラック用触媒(=ディーゼル触媒)には上記のハニカムやメタルとは異なりDOC(ディーゼル酸化触媒)とDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)という2種類の触媒が内部に組み込まれております。(※処理における詳しい化学式は割愛します)
DOCDPFも役割は異なれど触媒作用が行われるため、共にプラチナなどの貴金属が含まれております。

 

DPFとDOC


DPF拡大図


DOC拡大図

 

 

 

 

その6. 自動車触媒(トラック用)の買取について

 

ヒラノヤでは、共に貴金属の含まれているDPFとDOCの2つを1組として自動車触媒(トラック用)にて買取ります。どちらか一方である場合はそれぞれの貴金属含有量に応じてランクが決まりますのでご注意くださいませ。

 

例)大きめのDOC→自動車触媒(ハニカム特大)
   大きめのDPF→自動車触媒(ハニカム中)
など。詳細はお問い合わせくださいませ。

 

2つに分かれるものは1組で1個のトラック用触媒

 

 

 

 

その7.  自動車触媒(メタルミニ)の買取について

 

ヒラノヤでは少しウネった虫のような触媒?↓を自動車触媒(メタルミニ)として買取しています。

 

車触媒メタルミニ

 

こちらはハイエースのタービンアウトレットパイプとのことなのですが、、、微量ですがプラチナとパラジウムが含有されております。

 

 

 

 

その8.工業用触媒について

 

これまで自動車用の触媒装置について書きましたが、その他有毒ガスを排出するものはプラントなどなど沢山あります。1970年代高度経済成長期のように何も処理せず大気中に放出するのはこの時代ナンセンスであるため(というか厳格に規制されています)、有毒ガスを排出するものには必ず触媒装置が設置されております。

 

 

排出されたガスで霞む工業地帯

 

自動車とは異なり工業と一口に言いましても、様々な業態があり様々な種類の有毒ガスが排出されます。そのため使用される触媒装置も多岐に渡り、貴金属が多量に使用されているものもあれば一切使用されていないものも存在します。

よってヒラノヤにての工業用触媒の買取はまず商材の価値を確定させるためにサンプリングを行う必要があります。そして貴金属量が評価基準を満たしていればお客様ご同意の上、貴金属の精製を致します。2週間~数か月かかりますが、実際に収穫された貴金属量が判明後に単価を確定、買取りとさせて頂きます。
※精製には費用がかかるため、貴金属の収穫量が想定されたものより下回れば、逆に経費が発生する場合もございます。その際はご理解の程何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

その9. デキャン触媒について

 

デキャン触媒とは”decan”、つまり「缶(can)=外装を外して」触媒装置の金属外装を取り外し、内部の触媒本体を剥き出しにしたものを指します。触媒の用途は多岐に渡りますから、よって工業用触媒と同様に貴金属の含まれていないものもあります。
ですのでヒラノヤでの買取りは分析・精製後の単価設定となります。まずはヒラノヤまでご相談をお願いいたします。

 

 

デキャン触媒

 

 

以上になります。
また何か情報などあれば記事を作成しますので、乞うご期待下さいませ。

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